ちなみに

火曜日の空は僕を押しつぶした。

退学から5年経ったことについて、ある一面から見た、とても自己中心的な話。

1月5日に退職願を提出しました。

大学院を退学してから5年が経ったので、これまでのこと、今のこと、これからのことを記します。 個人の日記なので「で、お前誰?」というツッコミは勘弁願いたいのですが、僕がこのエントリを書く自由があるように、捉え方も自由だと思うので、せめてお手柔らかにお願いします。

前回までのあらすじは5年前にエントリを書いているのでご確認ください。めちゃくちゃ意識高いこと書いてて恥ずかしいけど、これだけは黒歴史にしてはいけないと決めている。 今日のこれも多分意識高くなるし、まあ一緒かという話もありそう。

さて、あれから5年も経ってしまいました。ものすごい勢いで時間が経っていて、これを書いたときには永遠先だと思っていた「5年後」にいるのかと思うとなんだか現実感がありません。

全然まとまらない文章だけれど、今この瞬間の僕から出た文章をここに残しておきます。
5年後の僕も笑っていると良いな。
(この文章を読んで赤面していること間違い無し。)

5年前の僕はこんなことを言っていたけど、あの頃よりも笑っていられている気がするので、まあまあよい5年だったんじゃないかなと思います。
(何度か読み返しているうちに赤面はしなくなったけれど。)

ざっくりこれまでのこと

あのエントリのあと、運良くアルバイト先に社員として入社させていただくことが出来ました。 経営が相当厳しい時期なのに無理を言ってしまって、当時は必死だったので雇ってもらえてほっとしてたのだけれど、いま考えるとむちゃくちゃ迷惑をかけてたんだと、反省と大きな感謝を感じている。 雇ってもらっていなかったら恐らくいまの僕のキャリアはないし、笑顔でこの文章を書けていない。

社会人としても、エンジニアとしても未熟すぎるのに、会社の人には本当によくしてもらって、働き方や、エンジニアとしての姿勢、知識、その他にも沢山のことを教わりました。 残念なことに理想に売上がついていかず、現在はなくなってしまったのですが、ここで働けて本当に良かったと思っています。

余談ですが、働き出してすぐに当時つきあっていた方と別れました。 いまでもそうなのですが、本当に好きな人とはうまくコミュニケーションが取れず、当時はいまよりも余裕がなかったので、相手にはたくさん迷惑をかけてしまって、気持ち悪い思いをさせてしまったと思う。 もう直接は言えなさそうなので、この場を借りでお詫びさせてください。

さて、最初の会社では、(本当に)大変なこともありましたが、先輩方にとてもお世話になりつつ、ちょっとずつエンジニアとして成長出来ていたのではないかと思います。 最後にやった案件では、お客様との調整や、マネジメントのまね事のようなこともやらせてもらって、尊敬している先輩と組んで、本当に充実した仕事が出来ていました。

あと、なんであんなにバイタリティがあったのかと今では不思議なのですが、当時は大阪で働いていたのですが、金曜日の終電に飛び乗って会社から直接京都に行って、友達の研究室に泊まりこみつつ、土日を使って自分たちのプロダクトを作っていました。 このときは、本当に、本当に楽しかった。いまもけっこう楽しいのだけれど、あの時の楽しさにはまだ届いていないような気がします。 これから超えていきたい。

そして、その時に一緒に開発をしていた友達の紹介で、今の職場に転職することなりました。 当時はまだ人が少なくて、4人目のエンジニアとして入社しました。 入社がほぼ決まったタイミングくらいで、いまのオフィスが入っているビルに引っ越したのですが、その時はあまりにも広すぎて、これはちょっとやり過ぎじゃないですかとか言っていたのを覚えています。 それがいまでは、同じビルで 3.5フロア も使っていて、ちょっとびっくりするくらいの勢いで人が増えました。 やり過ぎだとか言っていた僕には先見の明がなかった。

実は、大学院を止めたあたりから自分に自信が持てなくなってしまっていて、いまもまだ友人から自信がなさすぎると怒られてしまいます。 転職したときも話が決まってから、試用期間で切られるんじゃないかと急に不安になり、比喩じゃなくて本当に泣きながら勉強していました。 焦って勉強したかいがあって、試用期間で切られることはなかったものの、最初は不具合を出しまくってしまって、上司には本当に迷惑をかけてしまいました。

後に自分もプロジェクトリーダーをすることになって、マネジメントもやらせていただいたのですが、新しい人を迎えると最初は不安でなかなか任せきることが出来ず、自分は最初から重要な仕事を任せてもらっていたことを思い出して、上司の人間としての大きさに敬服していて、何かのタイミングで「僕なんかに任せて怖くなかったですか。」と聞いたら「そりゃ怖かったよ。」と言われて、それでも任せてもらえていたことに改めて感謝したのでした。

入社してから2年くらいは、それなりに上手くやれていたと思っていて、自分でもちょっとずつ自信がついてきているのを感じていました。 そんな中、3年目に入る辺りで会社で初めての技術を使ったプロジェクトを任せてもらえることになりました。 この時は、けっこう自信がついてきていたのもあって、少し自信過剰気味でプロジェクトに取り組み始めました。 社長にも「僕がクオリティには責任を持ちます。」とかなんとか言っていたし、合わない人をプロジェクトから外すなどの横暴もしていました。

しかし、やはり自分への適切な評価を見失ってしまうと物事はうまくいきません。結局、当初の約束から4ヶ月遅れ、クオリティもお粗末なものでした。 沢山の人に関わっていただいていて、力を貸してもらったにも関わらず、自分自身が胸を張って提供する自信がない状態のものを、プレッシャーに耐えられずにリリースしてしまいました。 盛り返そうとしたものの、初動で失敗していたためなかなかうまくいかず、結局半年ほどでクローズすることになってしまいました。

本当に大きな失敗をしてしまったのですが、その中でたくさん考えて、上司ともたくさん話をして、とても大きな学びを得ること出来たのではないかと思っています。

1つに自分一人だと出来ることに限りがあるということ、1つにだからこそチームメンバーを信頼して協力する必要があるんだということ、1つに感謝するということ、1つに余裕を持つということ、1つに立ち止まってふりかえるということ、他にも実務的なことなどなど。 これまでの独りよがりな生き方を見直さなくてはいけないと、この年になってやっと気づくことが出来ました。

そんな状態を経験したため次の年は、気持ちに余裕をもつこと、人とのつながりを大切にすることなどを意識して改善にとりかかることが出来ました。 アプリのクローズを機にリーダを降り、チームメンバーとして新規開発に取り組むことになったので、いろいろ試してみる余裕もありました。

ところで、これまでは完全にライフワークバランスがぶっ壊れていて、ほぼワークしかない状態だったのを、バランスを取ることを意識的にやりました。 まずは毎日家に帰るという低すぎる目標をたてて、たとえどんなに遅くなったとしても家に帰るようにしました。もちろん早く帰れるときには早く帰りました。 すると、少しずつ余裕が出てきて、仕事も捗るし、仕事以外にも自分の時間を取れるようになっていって、いままではいかに効率の悪い働き方をしていたのかともろもろ反省するいい機会になりました。 ただ、少し弁解しておくと、波にのっているスタートアップにいると、本当にアドレナリンが出まくって、いくらでも働けたし、効率が悪かったわけではないと思っている。 やりすぎて疲れきっていたのと、だんだん若さを失って無茶すると反動が大きくなっていたのが非効率につながっていたのではないかと思う。

あと、人との関わりをちゃんとしようと思って、会社の外の人との時間を取るようになり始めました。 意識的につきあう人を増やしていった結果新しい友達や、つながりを増やすことができました。 ビールの練習をしてアルコールがそこそこ飲めるようになったのもよくて、酔った勢いをつかってコミュニケーションがうまくいくという事例もそこそこあった。 クズの発想っぽいけど。

ビールを飲み過ぎてちょっと方向性を間違った気もするけれど、だんだんと人と関わることに対する怖さがなくなってきて、人見知りなのがだいぶマシになったような気がしています。

仕事については前半はめちゃくちゃうまくいっていて、楽しくて仕方がなかった。 充実感もあったし、技術的な成長も出来ていて、チームの人ともそれなりやれていて、ちゃんと思っていることを言い合ったりも出来ていたように思う。 この期間に作ったものはこれまでの集大成と呼べるようなものだったし、これからにつながる大きな一歩を踏み出せたと思います。

後半?知らない子ですね。

今のこと

実は転職したときからこの会社にずっといるというイメージはあまり持てていなかった。 創業メンバーのみなさんも全員新しいことをどんどんやるという働き方をしてきた人たちだったし、憧れていたというのもある。 なので、僕じゃなければ出来ないことがなくなって、お世話になった分、何か大きなお返しが出来たら次のことに挑戦しようと思っていた。

そうこうしているうちに30才が近づいてきて、20代のうちに新しいことを出来ないのだったら、今後も出来ないんじゃないかという思いが大きくなってきていて、去年くらいからだんだんと現実的な話として自分のなかで大きくなってきていた。 そんな時に、いろいろあったのがきっかけになって、気持ちが大きく動いて、上司にも相談しつつ、それでもかなり悩みまくった末に、年明けに退職願を出した。 次は決まっていなかったのだけれど、まだ何も返せていない状態で、次決まったから転職するというのは自分で許せなくて、意思を伝えてから次を探すことにした。

そしたら、そこからちょっといろいろと急に事が動いてしまって、改めて退職届を出して保留扱いで中途半端になっていた退職願を確定させた。 ちょうどそのいろいろの影響で他のエンジニアの時間も取れたので、目一杯の時間とリソースを使って引き継ぎをやって、現在は有給消化に入っている。 ちなみに、この時に初めて退職願と退職届の違いを知ってまたひとつ大人になった。

今後のことについては、落ち着いたら改めて報告したいと思います。

これからのこと

当時の友達の多くがちゃんと自分の道を行っていて、成功していたり、しあわせになっていたりするのを見ていて、正直なところ劣等感と焦りを感じていた。 自分もなにかを成し遂げないと思いながら、それでもまた何も改善できないまま、何も出来ない自分に苛立っていた。

それが、大きな失敗したことを機に、自然体でいいんだということに気付いた。その時に自分なんかもう駄目だと一回諦めてしまったのが逆に良かったのかもしれない。 そして先日、あの研究室で一緒に寝泊まりして開発していた友達と会ったときに、「それぞれのしあわせがあって、それをみつけるのがいい。」ということを言ってもらって、また肩の荷が降りた。 たしかに、僕の目指していたのは他人のしあわせを模倣することであって、自分のしあわせについては何も考えていなかったのかもしれない。

これからは自分にとってのしあわせをみつけたい。自分がしあわせになれないのに、人をしあわせに出来るなんて思えないから。

どちらかというと人をサポートするのが好きなのでそういう方向なのかなという気はしていて、ただ問題は、サポートすることによって得られる感謝や、優越感というものが動機になっていることを自覚してしまっているので、これを本当にしあわせと呼べるのかというところなのだけれど。しあわせとは何か。

よくある質問

最近いただいた質問をふわっとまとめました。

Q. なんか最近ふらふらしてますが本当に大丈夫ですか。
A. ご心配おかけしてすみません。大丈夫かどうかは自分では判断できないのですが、怠けている訳ではないと思っています。

Q. 次はどうするんですか。
A. まだ決まっていません。確定したら改めて報告します

Q. 暇なんですか。食事どうですか。
A. ぜひお願いします。ただ今週はちょっと忙しいので来週(24日)以降でお願いします。

Q. 最近よく食べてるケーキが美味しそうなんですがなんというお店ですか。
A. セカンドハウス ケーキワークス銀閣寺店 です。家から近くて、美味しいので通っています。

Q. ケーキ食べ過ぎじゃないですか、心配です。
A. 大丈夫ではないと思います。逆にふつうの食事が減ってたので痩せてきていて不安を感じます。

Q. Ruby は捨てるんですか。
A. いいえ、捨てません。でも Perl も気に入っています。

Q. 最近何か個人プロジェクトはやっているんですか。
A. かろうじてこれを作りました。 https://iwai.herokuapp.com/

さいごに

大学院を辞めたときにエールを頂いたみなさん。 みなさんの期待に答えられているかはちょっと自信がないのですが、それでも前向きに生きています。 当時は前に進む力を失っていて横にそれようとしていたので、みなさんの声援で本当に力をもらいました。

これまで仲良くしてくださったみなさん、関わってくださった全てのみなさん。 至らないことが多すぎて、迷惑をおかけしたり、失礼なことをしてまったことも沢山あります。 本当にすみません。そして寛容な態度で関わり続けていただいてありがとうございます。 卒業式じゃないけど、みなさんのご指導のおかけで、今の僕があります。

これまで本当にありがとうございました。 そして、これからも改めてよろしくお願いします!

文章が優等生っぽすぎて進歩していないっぽい。 今後はいい子ぶった文書を書くのはやめよう。 あと、5年前と状況がほぼ同じになってて人生おもしろいなあと。

全然まとまらない文章だけれど、今この瞬間の僕から出た文章をここに残しておきます。 さらに5年後の僕も笑っていると良いな。 (この文章を読んで赤面しないだけの余裕をもっているはず!)

ちなみに、ちょうど5年前の今日のこの時間、僕は退学に関するエントリを投稿したのでした。 (3月18日 01時13分48秒、予約投稿べんり!)

エントリの日付を見ると18日なんだけれど、実際にサンフランシスコ行きの飛行機に乗ったのは19日なので、もしかしたら退学時のエントリは一日間違ってたのかもしれない。 あと、同じ構図で写真撮り直そうと思っていたのを忘れてて詰めの甘さを感じる。