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ちなみに

火曜日の空は僕を押しつぶした。

「闇が落ちる前に、もう一度」

闇が落ちる前に、もう一度 (角川文庫)

闇が落ちる前に、もう一度 (角川文庫)

ゴールデンウィーク、けっこう時間があったので80冊弱の漫画と、2冊の小説を読んだ。

山本弘シュレディンガーのチョコパフェ、アリスへの決別、アイの物語ときてこれで4冊目。 去年はいい年になるだろうを積んでいるのですぐに読みたいけどハードカバーなので持ち歩けない。

本作は短編集なのだけれど、全体的には日常への疑いというテーマがホラーテイストでまとめられている。 全部で5話収録されているが、僕は表題作で世界の真実が暴かれる過程と信じていたものをすべて失った主人公の焦燥が恋人へのメールというフォーマットで語られる「闇が落ちる前に、もう一度」と、人を殺そうとき決意したAIがいかにして人を殺して、どのようにして良心を獲得するかを描いた「時分割の地獄」が好きだった。

「闇が落ちる前に、もう一度」、最初は発掘調査で海外に行ってしまった恋人に会いたいという内容のメールがつらつらと書かれていて、なんだこれはという感想だったのだけれど、だんだんと主人公の研究分野の話になっていって、とんでもない事実が語られる。どれくらいとんでもないかというと、僕の中の厨二の心が全力で叫びだすくらいとんでもなかった。なぜここにしまったと思っていた場所に鍵がみつからないのか、なぜ世界は矛盾だらけなのか、なぜいますぐに会いたかったのか、そんな謎がミステリーの解決編のように鮮やかに語られる。メールというフォーマットを取っているので、メールの終わりで話も終わっている。これがまた想像力をかきたてまくられる後味になっていて、読み終わったあと本を閉じてしばらく余韻にひたってしまった。

あまりも良かったので、すでに大量にあると聞いていたのに雲丹を追加で7,000円分購入してしまったのだけれど、それはまた別のお話。

シュレディンガーのチョコパフェ (ハヤカワ文庫JA)

シュレディンガーのチョコパフェ (ハヤカワ文庫JA)

アリスへの決別 (ハヤカワ文庫JA)

アリスへの決別 (ハヤカワ文庫JA)

アリスへの決別、外でカバー無しで読みにくい表紙。

アイの物語 (角川文庫)

アイの物語 (角川文庫)