ちなみに

火曜日の空は僕を押しつぶした。

「ぼくらは都市を愛していた」を読んだ話

ぼくらは都市を愛していた (朝日文庫)

ぼくらは都市を愛していた (朝日文庫)

空前の神林長平(マイ)ブーム。

物語は双子の姉弟の2人の主人公を中心に展開する。 姉の綾田ミウの戦闘日誌という形で語られる、情報震という現象に見舞われ人類が終わりを迎えようとしている世界の話。 弟の綾田カイムの視点で語られる、人工神経による体間通信という技術が実現しようとしているが平和な世界の話。 2つの話が交錯しながら予想外の結末へと向かう。

二人は双子なのでそんなに時間軸は離れていないと思われるのに、二人が生きている世界は全く別物のように感じる。それぞれの話がだんだんおかしくなってきて、どちらかが狂っているのか、それともどちらも狂っているのか。情報震とはいったいなんなのか。カイムが遭遇した殺人事件の真相は。とにかく先が読みたくて、ページをめくる手が止まらなくなってバスを降りそびれたりした。

最後は少しもやっとしたところは残りつつも全てに説明がつく形で完結。 SFなのにもしかしてこういう未来もあるんじゃないかと思ってしまうほど、いまの世界と地続きの物語だと感じた。