ちなみに

火曜日の空は僕を押しつぶした。

彼女は一人で歩くのか

年末に実家で読んでた。 森博嗣作品、しばらく読んでいないあいだに未読が溜まっていて消化したいという気持ち。

Gシリーズがぜんぜん終わっていないにも関わらず新しいシリーズが出ていた。けっこう未来の話でWalkaloneが普及している。 綺麗すぎる人工細胞のおかげで人類は死ににくくなったが、代わりに子供が産まれなくなったという世界観。 四季でいうと冬くらい…?

主人公は学者で人間かWalkaloneかを見分ける判定方法の研究の第一人者。 マイナーな研究なので命を狙われる覚えはないはずなのだけれど、国の機関からやってきたエージェントに命を狙われる可能性があると告げられる。 実際に隣の研究室が爆破されたことで、安全な場所に匿われることになるのだけれどと言った導入。

人間とはなにかという感じのテーマで、なぜ子供が産まれなくなったのか、Walkaloneは人足りえるのか、という話を軸に話が進む。 匿われているのは地下の研究施設で、そこで研究を続けることになるのだけれど、何かにつけて外に出ては命を狙われてて学びがない。 ちなみに北海道が首都になっているらしく、よく北海道に行っている。

最初はただのおっさんという印象だった主人公も、森博嗣作品の常で、めちゃくちゃ優秀な科学者であることがだんだん分かってくる。 僕は自分の頭の回転の遅さにコンプレックスを持っているので、天才が出てくる話が大好きで、今回もとても良かった。

森博嗣作品にしては読みやすく、人が死んだり(死んでない?)するけどミステリー要素はまったくなくて、ライトなSFとして読んでいた。 完全に新しいシリーズなので森博嗣作品未読の人も楽しめると思います。

今回もミチルと呼ばれる少女が出てきて、四季をにおわせる女性も出てくる。 百年シリーズにつながるのか、それとも最近Fになるから入った人へのサービスか。

続編の予約も始まっているし、追いかけたい。